1月のプレゼント本:兔の眼 / 灰谷健次郎

 この本を読んで教師を目指した者がいる。一方、教師になる夢を諦めた者もいる。白か黒か。登山家が鋭く切り立った山の稜線を歩くことを問われるかのごとく、読み手を中途半端な気持ちにはさせず、感情をどちらか一方に振ってしまう本である。

 教育者の姿勢について書かれた昭和の名作。また、灰谷健次郎氏の代表作の一つでもある「兎の眼」。まなび研究所の親御さんの中にはきっと読まれた方もいるだろうが、今も色褪せない灰谷氏が理想とする教育者の姿に涙腺が熱くなり緩むはずだ。また違った気づきを得られるだろう。教育者としてだけではなく、人が大事にしなければならないことはこういうことなんだろうと、生き方の指針を示してくれる生涯ずっと手元に置いておきたい本である。



2016/01/18 Category | blog 



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