合格発表を前に ―人事を尽くして天命を待つ―
寒い季節が続いていますが、受験生を持つご家庭の皆様はいかがお過ごしでしょうか。
先日、ある受験生のお母さんから「じっとしていられなくて、勉強をしたら? と、つい言いたくなってしまうんです」という言葉をいただきました。お子さんの机の上には、使い込まれた問題集や、端まできれいに書き込まれたノートが積まれていたそうです。そこには、この一年の親子の歩みが詰まっていたのでしょう。
私は「人事を尽くして天命を待つ」という言葉をお伝えしました。
この言葉には、深い知恵が込められています。「人事を尽くす」とは、できる限りの努力をすること。そして「天命を待つ」とは、その結果を静かに受け入れる心構えを指します。
受験後にアンケートをとると、最も多い声はこれです。「もっと早く勉強を始めていればよかった」。でも、私から見れば、この言葉を発する子たちの変化には目を見張るものがありました。当初は苦手だった算数の図形問題に、休み時間も粘り強く取り組む姿勢。分からないところは、恥ずかしがらずに質問できるようになった成長。
そう、皆さんのお子さんも、この一年で確実に変化し、成長してきました。朝早く起きて問題を解く習慣が付き、分からない問題にも諦めずに向き合えるようになり、読書を通じて視野を広げてきました。この成長の過程こそが、かけがえのない財産となるのです。
私たち講師の立場からも、お子さん一人ひとりの頑張りを間近で見させていただき、その成長に心を打たれる日々でした。そして、その陰には、いつも温かく見守り、時に厳しく、でも変わらぬ愛情を持って支え続けてこられたご家族の存在がありました。
合格発表まで、あとわずかです。
この時期、何もできないもどかしさに焦りを感じていらっしゃる方も多いかもしれません。でも、どうかご安心ください。お子さんは、そしてご家族も、既に十分な「人事を尽くして」こられました。
今は、その努力が実を結ぶのを、静かに、でも確かな希望を持って待つ時なのです。
春の訪れとともに、きっと良い知らせが届くことを、私たちも心から願っています。
2025/01/20 Category | blog
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