なぜ成績が伸びる子は、自分で目標を決めているのか 〜浜松西高中等部合格者の共通点から見えてきたこと〜

私たちはよく、子どもに「こうしなさい」「ああしなさい」と指示を出してしまいがちです。でも、そうやって与えられた目標に向かって頑張ることと、自分で決めた目標に向かって進むことでは、子どもの成長に大きな違いが生まれます。

筑波大学大学院准教授の外山美樹先生の研究では、子どもが自分で立てた目標を達成したときにこそ、「自分はがんばればできるんだ」という感覚が芽生えることが分かっています。これは、親から言われた目標を達成しただけでは得られない、かけがえのない経験です。

ある保護者の方から、こんな相談を受けました。
「うちの子は何事にも受け身で、自分から目標を持とうとしません。どうしたらいいでしょうか」

このような場合、まず大切なのは、お子さんと一緒に「なりたい自分」について語り合う時間を持つことです。強制でも放任でもなく、お子さんの興味や関心に寄り添いながら、対話を重ねていきます。

例えば、こんな会話から始めてみてはいかがでしょうか。
「最近、面白いと思うことは何かある?」
「こんなことができるようになったらいいな、って思うことは?」

お子さんの言葉に耳を傾け、その背景にある思いをくみ取っていく。そうすることで、お子さんは自分の気持ちを整理し、自分なりの目標を見つけ始めます。

目標は必ずしも大きなものである必要はありません。「今週は漢字テストで90点を取る」という手の届きそうな目標から始めても構いません。大切なのは、その目標がお子さん自身の意志から生まれたものであることです。

私たち大人の役割は、お子さんが自分で決めた目標に向かって歩み始めたとき、その背中をそっと押してあげること。時には立ち止まることがあっても、「あなたならできる」という信頼の気持ちを伝え続けることです。

お子さんが自分で目標を見つけ、それに向かって努力する。その過程で味わう達成感や挫折は、かけがえのない学びとなり、将来の糧となっていくはずです。

まなび研究所では、お子さん一人ひとりが自分の力で考え、決める力を育めるよう、じっくりと寄り添っていきたいと考えています。


2025/01/31 Category | blog 



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