令和8年度倍率は過去最低「2.17倍」だけど…。浜松西高中等部受検、その数字の奥にある真相
昨日(12/13)、令和8年度の浜松西高中等部の志願者数が発表されましたね。
寒さが少しずつ厳しくなる中、ニュースを見てドキリとされたお父さん、お母さんもいらっしゃるかもしれません。
まずは、開示された事実を、静かに見つめてみましょう。
募集定員140人に対し、志願者数は304人。
倍率は、過去最低となる2.17倍。
そのうち、浜松市内の志願者が254人で、全体の8割以上を占めています。
「あれ? 去年よりも倍率が下がったの?」
「2倍ちょっとなら、うちの子にもチャンスが広がったのかしら」
ふと、そんな安堵の声が聞こえてきそうです。
けれど、数字というものは時に、表面的な優しさで本質を隠してしまうことがあります。この数字の奥にある「変化」に、私は心を澄ませる必要があるのかもしれません。
私の目には、この「2.17倍」という数字が、かつてないほど「純度の高い戦い」の始まりを告げているように映ります。
かつては、「運が良ければ受かるかもしれない」「記念に受けてみよう」という、どこかお祭りのような賑わいを含んだ志願者層もいました。しかし、今の浜松西中の入試は、生半可な気持ちでは太刀打ちできないほど、「何のために受験するのか」を問うものへと深化しています。
つまり、今回の倍率低下は、単なる人気の陰りではありません。
「記念受験」という層が静かに撤退し、最初から本気で、あの門をくぐる覚悟を決めたご家庭だけが、リングに残ったのです。
これを市場の言葉で言えば、「受験者層の質的選抜(スクリーニング)」が進んだ、ということになるでしょう。
倍率は下がりました。しかし、合格に必要な学力の基準、そして求められる「グリット(やり抜く力)」の水準は、むしろ上がっているのかもしれません。
これからの時代は、おそらく2.0倍から2.2倍のレンジで推移する「低倍率・高偏差値」の時代へと入っていくでしょう。
そこで問われるのは、親御さんに言われたから勉強する「親の言いなり」の姿勢ではなく、お子さん自身が自らの意志で机に向かう「主体性」です。
お父さん、お母さん。
今、お子さんの瞳には、どんな色が宿っていますか?
倍率という外側の数字に一喜一憂するのではなく、「自分はなぜ、あそこで学びたいのか」という内なる問いと向き合えているでしょうか。
この入試は、単なる合格・不合格を決める選別ではなく、お子さんが「自分の人生を自分で決める力」を育む、尊い通過儀礼なのだと私は感じています。
テストの結果よりも、その日に向かって積み重ねた「しつけ」や「姿勢」こそが、お子さんの一生の財産になる。
そう信じて、温かいスープでも飲みながら、お子さんの話に耳を傾けてあげる夜があってもいいかもしれませんね。
2025/12/13 Category | blog
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