まゆみのマーチ
ここ最近の一週間で「いじめ」「不登校」「引きこもり」の話を6件も聞いた。今、世間では不登校が増えているとは言われているが、
こんなにも集中して耳にすることは初めてで戸惑っていた。
話は変わるが、
私が購読しているメールマガジンで紹介されていた本が無性に気になり、
今週、図書館で借りた。
それはまだ読んだことのなかった重松清の本である。
「まゆみのマーチ」
3.11の震災を機に「家族の幸せな風景」を浮かべてほしいと願って編纂された自薦短編集。
内容をまったく知らずに読んだのだが、
なんと偶然にも「不登校」が題材にされていたストーリーだった。
そして私の心を打ったので、そのことを伝えようと思う。
実際に不登校になってしまう理由は、
友達関係、先生、学校、家庭など様々な要素が絡んでいるから、
解決の糸口を見つけにくいところがある。
しかし、結局のところ当の本人に対する愛情(エネルギー)が枯渇しているのが一番の理由ではないだろうか。
専門家ではないから断言できる立場にはないけれど、
今まで教育現場で様々な事例を見てきて、
ずっとそう感じていた。
そして一番の愛情の供給者である母親(場合によっては父親)が、
子どもに対して愛情で接するのではなく、
過干渉で接しているケースが多いように思う。
きっとそこにも愛はあるのだろうが、浅いというのか、
子どものすべてを受け入れている愛ではないように思う。
嫌なところもすべて含めた愛が必要。
「まゆみのマーチ」を読んで、
この考え方は一理あると思えた。
不登校になっている子たちは待っているんです。
手をつないで、
頬ずりして、
抱きしめて、
面と向かって百万回、好きだよっと言ってあげてほしい。
書籍:まゆみのマーチ 自選短編集・女子編
著者:重松清
出版社:新潮社
2016/02/23 Category | blog