東野圭吾「手紙」

兄が強盗殺人の罪で服役している中、主人公が「身内に強盗殺人犯がいるから関わりたくない」という差別を受けながら苦悩とともに現実社会を生きていく話。

他人と自分の違いを感じることってよくありますよね。その違いに悩み、悶え、妬む。これが日常化してしまっている現代人に自分もなってしまっていたことに気づかされる本です。これがこの本のテーマの一つとなる「差別」ですが、「差別」が自分と隣り合わせにあるという現実を知り、「驕るなかれ、謙虚に生きよ」と、おもわず自分に言い聞かせてしまいます。

この本は、はっきり言って重く暗いです。しかし、東野圭吾の代表作の一つにあげる方が多い名作です。私としてはぜひとも人間関係に悩んでいる時に読んでもらいたいです。なぜなら本の内容がずしりと重いだけあって、自分自身の思考が深められるからです。
読後は、自分が今までよりも人に優しく、自分に厳しくもなれそうですよ。



<書籍紹介>
手紙
著者:東野圭吾
出版社:文春文庫



2016/06/02 Category | blog 



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