早くも”2”の開催を望む声が


7月17日は、読書講座を開催しました。25名の小学高学年が参加してくださり、本への憧れを抱かせてあげられたと自負しています。



今回の読書講座は久しぶりに「理想の国語教科書」を取り上げました。洋の東西を問わず、極上の文章が宝石の如く散りばめられたこの本は、私自身も大好きな一冊です。2020年ブックカバーチャレンジで第二位としてご紹介させていただきました。



2020年ブックカバーチャレンジに寄稿した私の推薦文



理想の国語教科書
著者:齋藤 孝
出版社:文藝春秋

想像してほしい。
溢れんばかりの宝石が収められた宝箱を。サイファイア、エメラルド、琥珀、ダイヤモンド・・・
そのすべてが眩く、魅惑を放つ。その存在感は圧倒的だ。
理想の国語教科書は日本文学と外国文学を問わず極上の宝石、すなわち超一流の文学で溢れている。
超一流の文学に数多く触れることで感覚が鋭敏になり、判断力が身につく。この感覚は私を講師として、経営者として大きな支えとなっている。
塾では本書をテキストとして何百人もの子どもたちを読書の世界へと誘ってきた。極上の文学は、何年経っても色あせることなく読み返すたびに人に気づきと勇気を与えてくれる。
一生手元に置いておきたい宝物だ。





読書講座では「理想の国語教科書」より四作品を選出、ひと作品ずつ小学生たちと味わい尽くしました。



一つ目の作品は夏目漱石の「夢十夜 所収の第一夜」。日本特有のハイコンテクスト文化が、夏目漱石の透き通った美しい表現によって丁寧にストーリーが紡がれていく技法は圧巻。先の展開が全く読めない展開の夢物語。日本が世界に誇る極上で、かつ国宝級の文学作品として私の読書ライブラリーの中に鎮座しています。この国宝級レベルに小学生が感応してくれたのは本当に嬉しかったです。読後のアンケートでは一番人気でした。



二つ目は世界の名作、シェイクスピアの「マクベス」。「欺きと覚悟」がテーマ。絶対に小学生の教科書では扱われない内容でしょう。私はこの作品をマクベスと夫人になりきり朗読。人間の負の感情がスパイラル状に渦巻く場面に狂気と殺気を感じた男子はびびっていました。



三つ目は小林秀雄の「人形」。こちらも日本のハイコンテクスト文化を扱った極上の作品。老婦人が抱える人形から深い悲しみを察することができるかが読みところでしたが、小学生たちは見事に感じとっていました。小学5年生が、この深い悲しみを言い当てたことにはホントに驚きました。一流の文学作品は読み手の年齢を問わないことを立証です。ちなみに読後に、小林秀雄は高校生の教科書に掲載されている本だと伝えると、小学生たちは自分達でも読み解けてしまったことに驚きと自信を浮かべていました。この瞬間は私にとっては忘れられない時となりました。



最後は中国の古典から蛇遣いのお話。「出会いと別れ」がテーマ。蛇遣いが蛇と別れるときに、蛇たちの将来の行く末を祝い放ったメッセージが鳥肌もの!このメッセージを解説したときには、小学生たちから希望が湧き出てきていたことを感じました。こちらも小学生たちの人気を博した作品だったようでした。





「理想の国語教科書」を読み解きました




以上、四作品どれも興味深い作品ですよね。ご参加くださったご家庭の親御さんもこの四作品をぜひお読みいただきと思います。そしてお子さんと一緒になって作品について感じたことを語り合っていただけたら本望です。きっとお子さんにとって忘れらないひと時となることと思います。



参加者からは、早くも次回の開催を待ち望む声をいただきました。次回は冬期講習での開催を予定しています。お楽しみに!








2021/07/18 Category | blog 



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