会話を受けとめ、応答する


唐突に話を始める子がいる。こちらの立場はお構いなし。きっとパッと瞬間的に気づいたことを発しているのだろう。自分の存在を認めてほしい気持ちも見え隠れする。



その様子をお母さんに伝えると、お母さんに思い当たることがあるようだった。お子さんの会話を受け止めていない様子が目に浮かんだ。日常的に、子供に聞かれていることに親が答えていないのだ。これでは会話がねじれてしまう。いくら勉強してもできるようにはならないだろう。ねじれた会話からは論理力(順序立てて考える力)も読解力も育たない。元を正す必要がある。



会話を受け止め、応答すること。



家庭でこれを実践するだけで子どもの読解力は身についていく。続けていくと嬉しいことに子どもが自律し、自立までしていく。「親が子の会話を受け止め、応答すること」は子どもの精神的成長を促す万能薬だ。



この秋、激的に作文力を身につけた生徒がいる。半年前までは何を伝えたいのかわからない作文を書いていた子が、今は主張と根拠を明確にした一貫性のある作文が書けるようになった。しかも題材は受験問題。三回続けてほぼ満点だ。受験で勝負できるレベルにまで仕上がってきた。



先日、そこには、親が子の会話受け止め、応答することに愚直に取り組んだ努力があったことを知った。この子は、今はもうお母さんの顔を伺うようなことはしない。自分の意見を私にハッキリと伝えてくれる。本当に頼しくなった。




2021/11/18 Category | blog 



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