“勉強しなさい”を言わずに 子どもの”やりたい”を尊重する
「子どもに目標を持たせよう」という言葉、どこか違和感を覚えませんか。まるで、親が上から目線で子どもに何かを「させる」かのような印象です。でも、本当にそれで子どもは夢中になって取り組めるのでしょうか。
以前、このようなことがありました。中学受験を控えた小学6年生の男の子です。毎日のように「勉強しなさい」と言われ、親から設定された目標に向かって机に向かっている様子でした。でも、塾で会うときの表情は曇っていて、どこか生気がない。これは、よく見かける光景かもしれません。
ところが、「夢をかなえるゾウ / 水野敬也」という本を読むことを勧めてみたところ、その生徒の心に大きな変化が訪れたのです。本の中で描かれる主人公の成長や、夢を実現させていく過程に魅了された彼は、次第に自己啓発本や成功哲学の本を自分から読み漁るようになりました。「自分もこうなりたい」「こんな生き方をしてみたい」と、目を輝かせて語るように。すると不思議なことに、以前は嫌々だった勉強にも、自分から前向きに取り組むようになったのです。
子どもは「させられる目標」には心を動かされません。でも、自分の中から湧き出る興味や関心、「やってみたい」という思いには、驚くほどの集中力を発揮するのです。
親として気をつけたいのは、子どもの心の動きに寄り添うこと。机に向かわせる前に、まずは子どもの「好き」や「楽しい」を見つけ出すことから始めてみませんか。それは必ずしも勉強に直結するものでなくてもいい。大切なのは、子ども自身が「これをやりたい」と思える種を見つけることです。
もちろん、受験や進学という現実的な目標も避けては通れません。でも、それを単なる「やらされごと」にしないために、子どもの興味と上手く結びつけることはできないでしょうか。たとえば、理科が好きな子なら、実験や観察の要素を取り入れた学習方法を一緒に考えてみる。そうすることで、勉強そのものが楽しみに変わることもあるのです。
子どもの「やりたい」気持ちは、必ず何かしらの形で表れます。それを見逃さず、そっと後押しする。そんな親子の関係が、本当の意味での目標達成への近道なのかもしれません。
2025/02/10 Category | blog
