浜松西高中等部、最新の入試情報の正確な把握を

お子さんの入試に向けて、最新の入試動向をしっかりと把握したいと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。私も長年、浜松西高中等部の入試問題を分析してきましたが、ここ数年で問題の性質が大きく変化していることに気づきます。

特に印象的だったのは、転塾されてきた受験生の言葉です。「先生、いくら暗記しても点数が伸びないんです」。実は、この声は入試問題の変化を如実に物語っています。平成31年度には知識を問う問題が半数以上を占めていましたが、令和4年度には約28%まで減少。代わりに、より深い思考力を問う問題が増えているのです。つまり、昨今の入試は、暗記ではとても太刀打ちできません。

昨年度の令和6年度入試では、論理的思考力を問う問題が実に66.6%を占めました。例えば、複数の資料を比較しながら結論を導き出す問題や、与えられた情報を別の場面に応用する問題など、「考える力」が重視される傾向が顕著です。

過去の出題傾向の変遷

浜松西高中等部の総合適性検査は、「知識/理解」「論理的思考」「創造/オリジナリティ」の3種類に分類されます。さらに、それぞれの問題は「単純(思考のステップが一つ)」「複雑(思考のステップが二つ)」「変容(アナロジー思考)」の3つに分けられます。

平成31年度/令和元年度
「知識/理解」が51.3%を占め、比較的取り組みやすい入試だった。
令和2年度~令和4年度
「知識/理解」の割合が年々減少し、令和4年度には28.2%に。一方、「変容/アナロジー思考」の問題が53.8%と最も難易度が高い年となった。
令和5年度
「変容/アナロジー思考」が易化し、「知識/理解」の問題が増加。前年度の難しさからの調整が見られた。
令和6年度
「論理的思考」の問題が66.6%と大幅に増加。配点が4点の「変容/アナロジー思考」が合否を分けるポイントに。
【令和7年度】前年度よりも易化し、問題数が増加。配点4点の「変容/アナロジー思考」は出題されず、よりバランスの取れた出題傾向へ。

また、「算数や理科」の問題が多く出題された年もありましたが、その傾向は継続していません。むしろ、文章量の多さ、資料の読解と活用が鍵となる入試といえます

ただし、これは決して暗記が不要だということではありません。基礎知識があってこそ、より深い思考が可能になるのです。大切なのは、知識を「どう使うか」を考える習慣づけです。

では、具体的な対策はどうすればよいのでしょうか。私がお勧めするのは、日常的な「問いかけ」の習慣です。例えば、お子さんが本を読んだ後に「どう思った?」と感想を聞くのではなく、「なぜ主人公はそう考えたのかな?」「もし〇〇だったら、どうなっていたと思う?」といった問いかけをしてみてください。

このような対話を重ねることで、自然と「考える力」が育まれていきます。入試問題も、結局は「なぜ?」「どうして?」という問いに答えていく過程なのです。

問題演習ばかりして、焦って対策問題を詰め込むのではなく、まずは日々の生活の中で「考える習慣」を育んでいきませんか。それこそが、これからの入試で真に求められる力になるのだと、私は確信しています。


2025/02/12 Category | blog 



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