【愛知県県立中高一貫校版・直前エール】君は「チェンジメーカー」になれるか。愛知県教委が込めた、入試問題という名の「招待状」
いよいよ、愛知県立中高一貫校の入試本番が迫ってきました(静岡県と同じ1月10日なんですよ!)。
明和、刈谷、半田、豊田西、時習館……。
この日のために、小さな体を震わせながら机に向かい続けてきたお子さんの姿を、私は心からの敬意を持って想像しています。
今日、私が最後に手渡したい言葉。
それは、昨年の『令和7年度 適性検査問題』と、愛知県教育委員会が掲げるある「強烈なメッセージ」を重ね合わせた時に見えた、希望の光についてです。
この入試は、ただの選抜試験ではありません。
「未来を変える人(チェンジメーカー)」への招待状なのです。
「チェンジメーカー」とは誰のことか
愛知県教育委員会は、中高一貫教育導入の目的として、明確に「チェンジメーカーの育成」を掲げています。
聞き慣れない言葉かもしれません。
しかし、昨年の入試問題を紐解けば、県が求めている「人物像」が痛いほど鮮明に見えてきます。
チェンジメーカーとは、誰かが作ったレールの上を上手に走る子のことではありません。
「レールがない場所に、自らの手で道を敷ける子」のことです。
昨年(令和7年度)の適性検査Ⅰで出題された、「リレー大会」の問題を思い出してください。
走る順番を決める際、単に「速い子」を並べるのではなく、個々の特性、チームの状況、そして「スポーツ基本法」というルール(社会の枠組み)までも考慮し、最適解を導き出すことが求められました。
これは、何を意味するのか。
学校側は、プレイヤーとしての優秀さ以上に、「監督(マネージャー)」としての視点を求めているのです。
目の前の混沌とした状況(データや制約)から逃げず、「どうすればチームが勝てるか」「どうすれば解決できるか」を考え抜き、新しい価値(Change)を生み出す力。
教科書の暗記だけでは太刀打ちできないこの難問たちは、子供たちへのこんな問いかけに他なりません。
「君は、文句を言うだけの評論家になるか。それとも、自ら動いて世界を変える当事者になるか」
境界線を溶かす「魔法」
チェンジメーカーのもう一つの特徴。
それは、「既成概念の枠(ボーダー)を軽々と飛び越える力」です。
昨年の国語(適性検査Ⅰ)の問題で、平安時代の文章の中に突如として「音楽の楽譜」が現れた時、多くの受験生が戸惑ったことでしょう。
「国語の時間に、なぜ音楽?」と。
しかし、私はそこに、愛知県の本気を見ました。
世の中の課題は、「これは国語」「これは理科」と都合よく分類されてはいません。
文学の情緒と、音楽の論理。一見遠く離れたものを結びつけ、新しい発見をする。
空海が中国より持ち帰った真言密教を描いた「曼荼羅」の世界もまた、森羅万象が繋がり合っていますが、これからの愛知を背負う子供たちに求められているのは、まさにこの「つながりを見つける目」です。
「勉強」と「遊び」、「教室」と「社会」。
その境界線を溶かし、「あ、これって全部つながっているんだ!」と面白がれる心。
それこそが、新しい時代を作る原動力になります。
ご家庭で、お子さんが突拍子もないことを言った時、それを否定せずに聞いてあげてきたでしょうか。
もしそうなら、その対話の積み重ねが、お子さんを「枠にとらわれないチェンジメーカー」へと育てています。
ベストを尽くす君へ
入試直前の今。
親御さんにできることは、もう「何かを足す」ことではありません。
お子さんの中に眠る「チェンジメーカーの種」を信じ、祈ることだけです。
「合格してほしい」という祈りは、もちろん尊いものです。
しかし、私はあえて、こう祈りたいと思います。
「君が、君らしく、出し切れますように」と。
試験当日、お子さんは初めて見る難問に出会うでしょう。
足がすくむような、正解のない問いに直面するかもしれません。
でも、大丈夫です。
その時、お子さんの頭の中で、これまで培ってきた知識と経験が、火花のように繋がり始めます。
「あ、これ、お母さんと話したあのニュースだ」
「これは、あの時の実験と同じだ」
その瞬間、お子さんは単なる「受験生」から、自らの思考で答えを切り拓く「チェンジメーカー」へと覚醒します。
合否という結果を超えて、そのプロセス自体が、お子さんの人生にとってかけがえのない財産になると、私は確信しています。
浜松の地より、祈りを込めて。
愛知の未来を作るのは、君たちだ。
いってらっしゃい。
2026/01/08 Category | blog
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