【6/17付】意見を育てるニュース教室:声に聞き耳を立てて

昨日の「意見を育てるニュース教室」を終えた小川先生の報告を読みながら、ふと思い出したことがあります。

生徒たちが席から立って話し合いながらクイズに取り組んでいる様子。最初は見当違いの意見も飛び交うけれど、グループで話し合ううちに自然と正解へと導かれていく過程。小川先生が「聞き耳を立てて」いた、そんな子どもたちの声の変化。

これって、家庭でも同じようなことが起きているのではないでしょうか。

お子さんが宿題に取り組んでいるとき、友達と遊んでいるとき、何気ない会話をしているとき。私たち大人は、つい「正解」を急いで教えてしまいがちです。でも、子どもの声に聞き耳を立ててみると、実は彼らなりの思考プロセスが見えてくる。

富士山の遭難救助有料化について「有料化により救助の依頼をためらって死に至ることになるのではないか」と心配した生徒。ネットの情報について「根拠を自分自身で確認しなければいけない」と感じた生徒。どちらも、大人が思う以上に深く物事を考えています。

6月から始めた「しかし」「だから」の二つの接続詞を使った作文でも、コメ問題を題材に「競争入札」と「随意契約」という言葉に着目して書いた生徒がいました。大人でも難しい概念を、自分なりに理解しようとしている。

でも、こうした成長って、一気に起こるものではありませんよね。

図形クイズで補助線を引く工夫を思いついた生徒も、きっと最初からそんな発想ができたわけではないでしょう。間違いを重ね、仲間と話し合い、試行錯誤を繰り返す中で、自分なりの方法を見つけていったはず。

私たち大人にできるのは、そんな子どもたちの「声」に聞き耳を立てること。正解を急がせるのではなく、彼らが自分なりの答えを見つけるまで、そっと見守ること。時には一緒に考え、時には黙って待つ。

フランスの作家サン=テグジュペリは『星の王子さま』の中で「大切なものは目に見えない」と書きました。子どもの成長も同じです。目に見える成績や結果だけでなく、その子なりの思考の深まりや、工夫する力の芽生え。そんな「見えない成長」にこそ、耳を傾けてみませんか。

今夜、お子さんと何気ない会話をするとき、ちょっとだけ聞き耳を立ててみてください。きっと、思いがけない発見があるはずです。


2025/06/19 Category | blog 



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