【7/15付】意見を育てるニュース教室:子どもたちの一票に学ぶ~大人が忘れた『本当の民主主義』とは
先週予告していた「まなび参議院議員選挙」が、「意見を育てるニュース教室」でついに実施されました。小川先生からの報告を読んで、正直、胸が熱くなりました。
投票結果はこうです。
▼選挙区選出議員
- 国民民主党 しんば賀津也 4票
- 無所属連合 山口かなえ 3票
- 日本共産党 鈴木ちか 2票
- 自民党 牧野たかお 1票
- 無効票 1票
比例区では各党にバランスよく票が分かれ、日本共産党、立憲民主党、国民民主党、みらいがそれぞれ2票ずつという結果でした。
でも、数字以上に印象的だったのは、生徒たちの投票理由です。
「物価高対策としてコメの増産について記されていたから」 「オーダーメイド教育の提案が私の考えと一致していたから」 「軍備拡張反対の政策に賛成だから」 「命に寄り添う政策に関心をもったから」
物価高への関心は大人と同じでしたが、大きく違ったのは「教育」や「命に寄り添う」といった政策への注目でした。
小川先生はこう振り返っています。「彼らが選挙広報に目を通し、生徒同士での意見交換を行い、その結果から判断していた」
これを読んで、思い出したのはアメリカの政治学者ロバート・ダールの言葉です。「民主主義の本質は、情報に基づいた市民による熟議にある」。
私たち大人は、どれだけ「情報に基づいた熟議」をしているでしょうか?
テレビのニュースで流れる断片的な情報、SNSで目にする偏った意見、そんなものに左右されて投票していませんか?
先日、お母さんからこんな話を聞きました。「選挙の時期になると、夫と政治の話で喧嘩になってしまうんです。子どもの前でも、つい感情的になってしまって…」
でも、まなびの生徒たちを見てください。選挙広報をしっかり読み込み、友達と意見を交わし合い、自分なりに考えて判断している。感情的になることもなく、冷静に政策を比較検討している。
これこそが、本来の民主主義の姿なのかもしれません。
小川先生は「もし、彼らが選挙権を得たときに今回と同じであったなら、民意を反映した国民が望む政策が実行される国となるだろう」と感じたそうです。
私も同感です。でも、それと同時に思うんです。私たち大人も、彼らのような姿勢を見習うべきではないかと。
政党の名前や政治家の顔で判断するのではなく、政策の中身をしっかり読む。家族や友人と感情的にならずに議論する。自分の利益だけでなく、未来を担う子どもたちのことも考えて判断する。
「子どもに政治は難しい」と思いがちですが、実は子どもたちの方が、政治に対して健全な向き合い方をしているのかもしれません。
今度の選挙の時、お子さんと一緒に選挙広報を読んでみませんか?「どの政策が一番大切だと思う?」「なぜそう思うの?」と聞いてみてください。
きっと、私たち大人が気づかなかった視点を教えてくれるはずです。子どもの声に耳を傾けることで、私たち自身の民主主義への姿勢も変わっていくのだと思います。

2025/07/16 Category | blog
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