25年目に届いた、最高のプレゼント
25年という月日は、一人の人間が大きく変わるのに十分な時間です。そして今週、7月14日、私たちまなび研究所も四半世紀という節目を迎えました。
振り返ると、この間に出会った無数の子どもたちの顔が浮かんできます。そして今週、嬉しい驚きがありました。某大手通信会社で世界を舞台に企画運営の仕事を担う教え子が、新聞の一面を飾っていたのです。
彼女は小学生の頃から、本当によく本を読む子でした。授業の合間に「先生、昨日読んだ本で面白いことが書いてあったんです」と目を輝かせて話してくれる、そんな子でした。ただ本を読むだけでなく、そこで得た知識や考えを自分なりに咀嚼し、「もしこうだったらどうなるんだろう」と疑問を投げかけてくる。
当時の彼女を見ていて、いつも思い出すのはフランスの哲学者デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉です。真の学びとは、情報をただ受け取るのではなく、自分の頭で考え抜くことから始まります。彼女はまさに、読書を通してその「考える力」を育んでいたのです。
中学生のときも、彼女は自分なりの基準を持っていました。「将来、人の役に立つ仕事がしたいから、幅広く学べる環境がいい」と。その言葉通り、いつも文系理系の枠を超えて様々な分野に興味を持ち続けていました。
そして今、通信という現代社会のライフラインに関わる重要な仕事で、企画運営という創造性を求められる分野で活躍している。新聞記事を読みながら、あの頃の読書好きの中学生の面影を重ね合わせて、胸が熱くなりました。
考えてみれば、読書習慣というのは不思議なものです。一見、受験勉強とは関係ないように思えるかもしれません。でも、本を読むことで培われる想像力、論理的思考力、そして何より「なぜ?」と問いを立てる力は、その子の人生の土台になります。
親御さんにとって、お子さんが本ばかり読んでいると「もっと勉強しなさい」と言いたくなることもあるでしょう。でも、その読書こそが、将来その子を支える大きな力になるのかもしれません。
主体性とは、誰かに言われたからではなく、自分の関心や疑問から行動を起こす力のことです。そしてその力は、小さな頃からの読書習慣の中で、静かに、でも確実に育まれていくものなのです。
25年間、私は一貫してこのことを信じ続けてきました。そしてこれからも、一人ひとりの子どもが自分の中にある好奇心を大切にし、それを行動に移せるような場所でありたいと思います。
「Read more, learn more, change the globe」
この言葉に込めた想いは、今も変わりません。浜松から世界を変える人材を、これからも育てていきたいと思います。
2025/07/18 Category | blog
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