【小5受験生の親御さんへ】解答用紙の「空白」が教えてくれること
最近、浜松西高中等部や静大附属浜松中などを目指すご家庭の親御さんとお話ししていると、ある不安を耳にします。
「うちの子、なんだか物事を深く考えていない気がして…」
「これからの入試は、『考える力』が問われるんですよね?」
その不安は、とても自然なことだと思います。
なぜなら、今、都市圏では変化が始まり、静岡にもその余波が伝わろうとしているからです。
「知っている」から「使いこなす」へ
近年の入試問題用紙を広げてみると、私たちはある変化に気づかされます。
そこには、単純な知識を答える欄よりも、長い文章や複数の資料を読み解き、そこからあなた自身の言葉で「説明しなさい」と問う、大きな「空白(記述欄)」が広がっているのです。
これらはすべて、「知識を持っていること」を前提に、その知識をどう使いこなし、どう深く思考し、どう表現するかを問うています。
これは、単なる受験テクニックの変化ではありません。
「これからの時代を生きる子どもたちに、どんな力を身につけてほしいか」という、社会からの強いメッセージなのだと、私は感じています。
なぜ、「深く考える力」が求められるのでしょう?
私たちは今、AIが瞬時に答えを提示してくれる時代に生きています。
「知っている」ことの価値は、相対的に下がりました。
では、私たち人間に残された営みとは何でしょうか。
それは、答えのない問いに対して、自分なりに悩み、考え抜き、自分なりの答えを導き出すことではないでしょうか。
入試問題の「空白」は、受験のためだけに存在するのではないのかもしれません。
あえて答えを用意せず、子どもたちに「あなたの頭で、あなたの心で、じっくりと考えてごらん」と、静かに促している。私にはそう思えてなりません。
考える「葦」として
お子さんが、一つの物事をじっくりと、深く、粘り強く考え抜く。
その姿は、まるで地中に深く根を張ろうとする若木のようです。
親御さんにできることは、「早く答えを出しなさい」と急かすこと(アドバイス)ではないのかもしれません。
「どうしてそう思ったの?」
「面白い考えだね、もう少し聞かせて」
そんな風に、お子さんの拙い思考の芽に、温かい陽の光を当て、じっくりと耳を傾けること。お子さんが安心して「考える」という挑戦を続けられるよう、深く信じて見守ること。
ご家庭でのそんな何気ない「対話」や「問いかけ」こそが、お子さんの思考を深く、豊かに耕していくのではないでしょうか。
「考える力」とは、小手先の技術ではなく、日々の暮らしの中で育まれていく、まさに「生きる力」そのものだと感じます。
お子さんという「原石」をどう磨けば、その子らしい輝きを放つのか。その「主体性」を育むために、親として何ができるのか。
もし、そんな深い問いと向き合い、少し立ち止まりたくなった時は、どうぞいつでもいらしてください。
まなび研究所は、慌ただしい日常から少し離れ、心静かに対話できる場所です。あなたのお考えを、じっくりと聞かせていただける日を、心よりお待ちしております。

2025/11/14 Category | blog
« 浜松西高中等部の面接官は「作文の答え合わせ」をしているかも 令和8年1月8日 静岡県学力調査 5教科合計220点獲得 最終1ヶ月戦略レポート »
