浜松西高中等部の面接官は「作文の答え合わせ」をしているかも
11月、浜松西高中等部の入試で、受験生ご家庭から最も多くご相談をいただくのが「面接」です。
「何が聞かれるのでしょうか」
「配点も公開されておらず、対策のしようがない」
「筆記試験と違って、正解がないのが怖い」
そのお気持ちは、痛いほどわかります。得体の知れないものへの不安は、当然のことです。
ですが、もし面接が「まったく別の新しい試験」ではなく、すでに行われた「ある試験の続き」だとしたら、どうでしょう。
私は、昨今の浜松西高中等部の面接の本質を、「作文で書いた(あるいは書こうとした)内容を、受験生本人の口から、対話形式で、より深く確認する場」だと捉えています。
例えば、令和6年度の作文問題。
大谷翔平選手のエピソードを引き合いに、「① あなたがワクワクして選んだ経験」と「② その経験をどのように中学生活で活かすか」が問われました。
これは、学校側からの「あなたという人間が、何に心を動かされ、何を探究しようとするのか を教えてください」というメッセージです。
面接官は、その「答え」を知りたがっています。
作文用紙に書かれた文字としての答えではなく、お子さん自身の「生きた言葉」としての答えを。
「作文に、〇〇にワクワクすると書いてくれましたね。もう少し詳しく教えてくれませんか?」
「なぜ、あなたはそれにワクワクするのですか?」
「そのワクワクを、本校の〇〇という活動で、本当に活かせそうですか?」
面接官が知りたいのは、用意された模範解答ではありません。
作文に書いたその熱意 が本物なのか、その経験から何を学び取ったのか、その「原石」 の輝きは本物か。それを確かめているのです。
もし、作文で書いた内容が浅ければ、面接での対話も浅くなります。
逆に、自分の「好き」や「ワクワク」を深く掘り下げ、悩み、自分の言葉として作文にできていれば、面接は「暗記したことの発表会」ではなく、自然な「対話」になります。
入退室の作法 や、想定問答集の丸暗記 も、不安を和らげるためには必要かもしれません。
でも、本当に大切な準備は、そこでしょうか。
お子さん自身の「ワクワク」の源泉 を、親子でどれだけ深く見つめ、言葉にし、議論してきたか。
面接対策とは、テクニックを磨くことである以上に、お子さん自身が「自分を知り、自分で決められる力」 を育む、そのプロセスそのものなのかもしれませんね。
結局、求められているのは「自分とは何だ?」という、実に哲学的な問いなのです。
こうした深く考える力を育むために、やはり、日頃から受験生は「本」を読みたいですね。

本番の入試面接で自分の意見を伝え、自信を持って臨める力を育てます。
2025/11/13 Category | blog
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