中学入試直前、年末年始の勉強はどうする?
冬の朝、ぴんと張り詰めた冷たい空気の中で、ふと思うことはありませんか。
これまで積み上げてきた日々が、たった一日の、数時間の出来事で決まってしまうことの怖さを。
親御さんの胸の内にあるのは、「もっと何かできることはなかったか」という焦燥感かもしれませんね。
でも、ここでお伝えしたい「真実」がひとつあります。
入試本番で奇跡のような合格を勝ち取るお子さんは、直前までガリガリと問題を解き続けていた子ではない、ということです。むしろ、ラスト3週間で勇気を持って「手放した」子が、当日に爆発的な力を発揮する。
これは、長年多くのお子さんを見てきた私の確信であり、スポーツ科学や心理学の世界でも証明されている「ピーキング」という理論です。
オリンピック選手が、本番の何ヶ月も前からトレーニング量を調整し、試合当日に身体のキレとメンタルの集中力が最高潮に達するように計算し尽くすのと同じこと。
勉強もまた、フィジカルとメンタルのスポーツです。
以前、浜松西高中等部を目指していたある女の子の話です。
彼女は真面目で、最後まで決して手を抜かない子でした。お母さんは「あと一問、あと一分でも長く机に向かわせないと」と、不安で胸が押し潰されそうでした。
そこで私は、あえて提案しました。
「最後の3週間、勉強量を調整しましょう」と。
お母さんは驚かれましたが、私たちは「計器飛行」に切り替えました。親の勘や不安という「感情」ではなく、子どものコンディションという「データ」に基づいて、睡眠時間を増やし、徹底的なシミュレーションを行う時間に変えたのです。
具体的には、朝起きる時間から試験会場での休憩時間の過ごし方、難問に出会った時の深呼吸のタイミングまで、脳内で何度も何度も「成功した自分」をリハーサルしました。
詰め込むのではなく、研ぎ澄ます。
オンとオフを明確にし、心に「余白」を作ってあげたのです。
すると、どうでしょう。
入試当日、会場に向かう彼女の表情は、憑き物が落ちたように穏やかで、瞳の奥には静かな闘志が宿っていました。
結果は、見事合格。
「先生、テスト中、すごく頭がクリアだったんだ」と笑った彼女の顔は、今でも忘れられません。
私たちはつい、「頑張らせる」ことばかりに目を向けがちです。
でも、本当に必要なのは、お子さんの中に眠っている力を、阻害している要因(疲れやプレッシャー)を取り除いてあげることではないでしょうか。
疲労が抜けたとき、本来の実力が顔を出します。
これを「超回復」と呼びますが、勉強においても同じことが起きます。
お子さんを信じて、勇気を持ってアクセルを緩めること。
それは、決して「サボらせる」ことではありません。
高く飛ぶために、一度深くしゃがむこと。
それが、合格へのラストピースを埋める戦略なのです。
もし、その具体的な調整方法や、お子さんのメンタルを整える言葉かけに迷われているなら、せいなーにご参加しませんか。
親御さんの心の安定こそが、お子さんにとって最強のお守りになりますから。
最高の笑顔で春を迎える準備を、ご一緒に。
【2026年度中学受験】浜松西高中等部・静大附属浜松中のための ラスト3週間の最終調整プログラム「ピーキング戦略」セミナー
2025/11/19 Category | blog
« ポッドキャスト「受験コンサルタント古橋のガチ相談室」を始めます。 【11/18付】意見を育てるニュース教室:ため息をつく大人、希望を見つける子どもたち。「値上げ」のニュースが教えてくれたこと »
