【1/13付】意見を育てるニュース教室:大人の嘘、子供の真実。難関校に受かる子の「目が澄んでいる」理由
小川先生から届いた一枚のレポートを読んで、私は背筋が伸びるような、心地よい「敗北感」を味わいました。
私たち大人が、常識や建前という分厚い壁の裏側に隠している「本音」を、子どもたちはとっくに見抜いていたからです。
「意見を育てるニュース教室」での一幕です。テーマは、アメリカによるベネズエラ大統領の拘束について。テレビのコメンテーターたちが「同盟国アメリカの判断だから」と口を濁し、中立を装って言葉を飲み込む中、教室の生徒たちの目は、驚くほど冷徹に「構造」を捉えていました。
「麻薬密輸は悪だけど、それを理由に他国の主権を侵すのは違う」
「狙いは世界一の埋蔵量を誇る石油でしょう?」
「証拠がないなら、むしろトランプ氏が裁かれるべきではないか」
小学5年生たちの意見。彼女らの言葉には、一点の曇りもありませんでした。大人が「国益」や「外交」という言葉で正当化しようとする矛盾を、彼女らは直感的に、しかし論理的に「おかしい」と断じたのです。
私は、このレポートを読みながら、思わず膝を打ちました。「これだ」と。これこそが、私が常々申し上げている「中学校が欲しがる知性」の正体です。
静岡大学附属中が、なぜあれほど抽象度の高い、難解な国語の問題を出すのか(面接試験も同様)。それは、知識の量を測るためではありません。一見もっともらしく書かれた文章や、複雑に入り組んだ事象の中から、「筆者の本当の意図」や「隠された社会の構造」を見抜く力があるか。それを試しているのです。
表面上の文字ヅラだけを追っても、正解には辿り着けません。「なぜ、この国はこう動くのか?」「この文章の裏には何があるのか?」そうやって「問い」を立て、本質を掴み取る力。今回のニュース教室で、生徒たちがアメリカの行動に対して「石油が目的では?」と看破したその思考プロセスこそが、難関校合格への最短ルートなのです。
親御さんとの面談で、よくこんな悩みをお聞きします。「最近、子どもが理屈っぽくて……親の言うことにいちいち『なんで?』と食ってかかるんです」
お母さん、安心してください。それは反抗ではありません。「知性の開花」です。
お子さんの心のレンズが曇りなく磨かれ、世の中の矛盾や、大人のごまかしが見えるようになってきた証拠なのです。確かに、親御さんにとっては痛いところを突かれる、扱いづらい時期かもしれません。しかし、大人の顔色をうかがって「はい」と従うだけの素直さよりも、この「鋭い違和感」を抱ける感性の方が、これからの時代、そして受験という戦場においては、はるかに強力な武器になります。
私は、彼女らのこの「鋭さ」を守りたい。「生意気だ」と蓋をするのではなく、「なるほど、そういう見方があるのか」と対等に向き合いたい。そうやって大人が真剣に受け止めたとき、彼女らの鋭利な刃(やいば)は、誰も傷つけない、未来を切り拓くための「賢さ」へと錬磨されていくのだと、私は確信しています。
小川先生の報告の中の彼女らは、私などよりもずっと、世界を正しく見ていました。そんな頼もしい彼らに負けないよう、私もまた、曇りなき眼で彼らと向き合わねばならない。そう強く心に誓った出来事でした。

2026/01/14 Category | blog
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