学校の先生からの評価が激変。合格した子が陰で磨いていた「徳」の話。

受験シーズンが一段落し、教室には少しずつ春の気配が漂ってきました。
先日、浜松西高中等部への合格を決めたあるご家庭と面談をしていたときのこと。お母様がふと漏らした言葉が、私の心に深く、静かに染み入りました。

「先生、あの子、ここで学ぶようになってから本当に変わったんです。学校の先生からも評価が変わりましたし、何より家で下級生に優しく接したり、面倒を見たりするようになって……。親の見ていないところで、まなびの先生に教わったことを一生懸命やっていたんだと思います」

そのお子さんは、受験期も本当に自分からよく頑張っていました。でも、お母様は決して「勉強しなさい」と背中を叩くことはなかったそうです。ただ一つ、欠かさず続けていたことがあります。

それは、毎晩寝る前に「大好きだよ」と、ありったけの愛情を言葉にして伝えることでした。 


「合格の秘訣」という言葉の、本当の意味

「合格の秘訣」なんて言うと、なんだか効率的なテクニックや裏技のように聞こえてしまうかもしれません。 ですが、本当の鍵はもっと根源的なところ、つまり「親子関係」にあります。 

子どもは、親からの無償の愛情を受け取り、心が満たされた状態で眠りにつくことで、明日への活力を蓄えます。 「自分は愛されている」「ここにいていいんだ」という安心感こそが、困難な課題に立ち向かうための「グリット(やり抜く力)」の土台になるのです。 

親に甘えられる安心感があるからこそ、外の世界で、つまり試験会場や教室で、独り立ちして戦うことができる。皮肉なようですが、自立への第一歩は、正しい依存(甘え)から始まるのです。 

「しつけ」こそが一生の財産

面談で伺った「下級生への優しさ」という変化。これは、単にテストの点数が上がることよりも、ずっと価値のあることです。 

拙著『浜松西高中等部に絶対合格する方法』でも触れましたが、中学受験はゴールではありません。 自分のことより相手を思いやる奉仕の精神や、人から信頼されるコミュニケーション能力。 こうした「心のあり方」や「しつけ」を磨くことこそが、合格のその先、社会に出てからも彼らを支え続ける一生の財産になります。 

テストのための勉強はいつか忘れるかもしれませんが、誰かのために動いた記憶や、親と交わした温かい対話は、血肉となってその子のアイデンティティを作ります。 

親の役割は「やらせる」ことではない

今、お子さんの成績や学習態度に不安を感じている親御さんも多いでしょう。 「もっとやらせなきゃ」と焦る気持ち、痛いほどわかります。 

でも、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。 私たちが目指すのは、親がレールを敷いて無理やり走らせることでしょうか。 それとも、子どもが自分の意志で「この道を進みたい」と決め、歩き出す姿でしょうか。 

放任でもなく、強制でもない。大切なのは、本人の心に火を灯す「動機づけ」です。 

  • 子どもの才能の種を見つけ、磨いてあげること 
  • 広い視野を持たせ、社会の課題に目を向けさせること 
  • そして何より、どんな時もあなたの味方だと伝え続けること 

合格したあのご家庭のように、最後は「自分で動ける子」が強い。 その強さを育むのは、日々の何気ない会話や、寝る前のたった数秒の抱擁だったりするのです。 

受験という荒波を乗り越えるために、まずは家庭という港を、世界一温かい場所にしてみませんか。 


2026/02/06 Category | blog 



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