【2/10付】意見を育てるニュース教室:【完結編】「批判」から「理解」へ。衆院選の授業で小学5年生がたどり着いた、大人顔負けの境地
「意見を育てるニュース教室」を担当する小川先生から、第51回衆議院議員選挙をテーマにした一連の授業の「完結編」となる報告が届きました。
報告を読み終え、私は心地よい敗北感に包まれています(笑)
「まだ小学生だから」という大人の勝手な線引きを、彼らは軽々と飛び越えていきました。
全3回にわたる選挙の授業を通して、子どもたちが辿り着いた「政治との向き合い方」。それは、私たち大人が襟を正さなければならないほど、高潔で、建設的なものでした。
本日は、その感動のフィナーレをお届けします。
「思い込み」が「敬意」に変わる瞬間
第51回衆議院議員選挙(※授業内のシミュレーション設定)の結果が出ました。
教室に入るなり、小川先生が口を開く前に、生徒たちが次々と声を上げたそうです。
「先生、自民党が316議席で圧勝しましたね!」
「中道政党は100近く減らしたよ」
「れいわは1議席だけだったね」
……驚きました。
つい数週間前まで、「政党って何?」「総理大臣って誰が決めるの?」と言っていた小学5年生たちが、です。
彼らは誰に言われるでもなく、自ら新聞やニュースで「結果」を確認し、それを教室で共有していたのです。
この「自発性」だけでも大きな成長ですが、今回の授業の核心はそこではありません。
授業の振り返りで、ある生徒(Iさん)が正直な胸の内を語ってくれました。
「調べる前は、自民党はあまり国民のために動いてくれていないと思っていた。しかし、公約を見て、私たちのために動いてくれているのだと分かった」(Iさん)
また、そもそも政党という存在を知らなかったSさんも、
「自分で調べる中で、政党が何をしようとしているかが分かった」(Sさん)
と述べています。
私たちはしばしば、イメージだけで政治家や政党を「悪者」や「怠け者」のように決めつけてしまいがちです。
しかし、彼らは「公約」という一次情報に触れることで、「どの政党も、方法は違えど、国民のために何かを実現しようと努力しているのだ」という根本的な事実に気づきました。
「知らないから批判する」のではなく、「知った上で敬意を持つ」。
このスタンスの変化は、社会を見る目を劇的に優しく、そして鋭くします。
民主主義の核心を突いた「反対意見」への作法
そして、私が最も感銘を受けたのが、Sさん(前述とは別の生徒)のこの発言です。
「私たちは、自分が望んでいない公約をしている党であっても批判することなく、まずはその考えを理解していくべきだと思いました」(Sさん)
この言葉に、私は鳥肌が立ちました。
自分と違う意見、自分が望まない結果(今回は自民党の圧勝など)に対し、感情的に反発し、批判するのは簡単です。大人でもSNSなどでよく見かける光景です。
しかし、小学5年生の彼は、「批判する前に、まず理解する」という、民主主義において最も重要で、かつ最も難しい作法を自ら導き出しました。
「なぜ、多くの人がその党を選んだのか?」
その背景にある他者の痛みに想像力を働かせること。これこそが、分断を防ぐ唯一の知恵です。
「当事者意識」の芽生え
最後に、Sさん(冒頭の生徒)の言葉を紹介します。
「私はこれから、政治にもっと深く関っていきたい。私が政治に関心をもつことが、日本に貢献することになるからだ」(Sさん)
政治を「遠い場所で行われる偉い人たちのゲーム」ではなく、「自分たちの関心が国を作る」という当事者意識を持って捉えています。
T君もまた、
「自民党が勝ったことで、公約の消費税減税が実施されると分かった」(T君)
と、選挙結果と自分たちの生活(税金)が直結していることを、肌感覚で理解しました。
教室に希望があった
小川先生は報告の最後をこう結んでいます。
「生徒たちの変化を見て、これからの日本に希望を感じさせられた」
私も同感です。
教科書で「選挙権は18歳から」と暗記するだけでは、この意識は育ちません。
公示から投票日までのリアルな熱気の中で、公約を読み解き、議論し、予想し、結果を受け止める。この一連のプロセスが、彼らを「小さな主権者」へと変えました。
彼らが大人になる頃、日本の政治はもっと良くなるかもしれない。
そう本気で思わせてくれる、素晴らしい3週間でした。
保護者の皆様、ご家庭でのサポート、本当にありがとうございました。
政治の話ができるようになったお子さんと、これからの日本の未来について、ぜひ食卓で語り合ってみてください。きっと、私たち大人が教えられることがたくさんあるはずです。
2026/02/12 Category | blog

