【9/30付】意見を育てるニュース教室:「どうせ人気投票だろう」という大人の予想を裏切った、小学生の自民党総裁選挙
昨日、小川先生が教室で少し変わった授業を行いました。「意見を育てるニュース教室」の時間に、子どもたち自身の手で「自民党総裁選挙」を実施したのです。新聞を読み込み、候補者の政策や主張を調べ、自分たちが日本の未来を託したいと思うリーダーに、一票を投じてもらいました。
さて、ここでこれを読んでくださっているお父さん、お母さんに質問です。
お子さんたちは、一体誰に最も多くの票を投じたと思われますか?
「やっぱり、一番若くて知名度のある候補でしょう」「メディアでよく見るあの人じゃないかな」。多くの方が、そう予想されたかもしれません。正直に言えば、私も心のどこかで、そうした結果を思い描いていました。
しかし、結果は私たちの素朴な予想を、鮮やかに裏切るものでした。
教室での最多得票は、高市早苗氏。次点が小泉進次郎氏。そして、候補者それぞれの政策や実績を評価し、林氏や茂木氏に投じられた、重みのある票も確かに存在しました。
「なぜ、その人を選んだの?」
大切なのは、この結果そのものではありません。子どもたちが、その一票にどんな想いを込めたのか、その理由です。
「国民の意見を見て、議員票が高市氏に集まると予想した」と、まるで政治評論家のように盤面を冷静に分析する子。
「一番若く、何かをやってくれそうな期待が持てる」と、未来への変化を小泉氏に託す子。
「女性初の総理が誕生してほしい」と、新しい時代の扉が開かれることを願う子。
「実績や経験がある」「減税について現実的に語っている」と、候補者の実務能力や政策の具体性を厳しく見極める子。
そこには、単なる人気投票やイメージ戦略に流される姿はありませんでした。むしろ、私たち大人が思わず襟を正してしまうような、この国の未来に対する、真剣で、驚くほど冷静な眼差しがあったのです。
「無関心」の裏にある、切実な願い
私たちはつい、「どうせ若い子は政治に興味がないだろう」と決めつけてしまいがちです。ニュースを見ながら社会への不満を口にするお子さんに、「あなたにはまだ関係ないでしょ」と、その小さな声に蓋をしてしまうことさえあるかもしれません。
しかし、教室で見えたのは全く違う景色でした。
彼らは興味がないのではありません。むしろ、あまりにも真剣だからこそ、簡単には心を動かさないのです。パフォーマンスや耳触りの良い言葉だけでは、彼らの信頼は決して得られません。彼らが求めているのは、信頼に足る「実績」と、未来を託せる「政策」、そして、この国を良くしたいという「本気」の熱量です。
授業を終えた小川先生は、報告書にこう綴っていました。
「若い人の政治離れが叫ばれているが、実は投票に値しない政治家しかいないから投票しないのではないか。彼らは政治家の本当の実力を冷静に見ている」。
この言葉は、私たちの胸に深く突き刺さります。
お子さんが、ニュースを見て「どうせこの人も口だけでしょ」と呟くとき。それは「無関心」や「冷笑」の表れではないのかもしれません。「本気でこの国を良くしてくれる人はいないのか」という、あまりにも純粋で、切実な願いや怒りの裏返しだとしたら。私たち大人は、その声に、どう応えていけばいいのでしょうか。
子どもたちは、私たちが思うよりずっと大人で、この国の未来を自分のこととして真剣に考えています。彼らを「未熟な子ども」としてではなく、未来を共に創る「対等なパートナー」として、その声に耳を傾けること。
もしお子さんが、政治や社会について何かを語り始めたら、それは絶好の機会です。ぜひ、一人の人間として、その意見に真剣に耳を傾けてみてください。きっとそこには、私たちが忘れかけていた、未来への誠実な願いが、まっすぐに輝いているはずですから。
2025/10/01 Category | blog
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