【11/11付】意見を育てるニュース教室:大人の不安、子どもの希望。AIが映し出す「世代間の景色」
お子さんたちの「未来」は、私たちの「不安」の先にあるのかもしれません。
11月11日、まなび研究所の小川先生が担当する小学生クラスの「意見を育てるニュース教室」から、とても示唆に富む授業報告が届きました。
テーマは「人類とAIの未来」。
私たち大人の世代にとっては、期待半分、不安半分、いえ、どちらかといえば不安のほうが大きいテーマかもしれません。AIに仕事が奪われるのではないか、いつか人類が支配されるのではないか……。メディアで語られる「シンギュラリティ」という言葉に、漠然とした、しかし拭いがたい恐れを感じている方もいらっしゃるでしょう。
ところが、教室での議論は、私たちの世代の懸念を軽々と飛び越えていくものでした。
「人類はAIに支配される」を選んだ生徒さんは、なんとゼロ。
全員が「AIとの共生が進む」という未来を選んだのです。
「人間とAIがお互いの強みを生かせる」
「AIにできなくて、人間にしかできないことがあるから」
「AIは人間から生み出されたものだから、人間自らがうまく活用できる仕組みを作り出していくと思う」
なんと頼もしく、しなやかな感性でしょうか。
報告をくれた小川先生は、ここに「世代間の大きな隔たり」を感じたと記していました。
生まれながらにしてスマートフォンや検索が当たり前に存在し、ITを生活の一部としてきた子どもたち。彼らにとってAIは、私たちがかつて直面したIT革命と同じように、「未知なるもの」というより「便利な技術の進歩」として、ごく自然に受け入れられているようです。
一方で、私たち大人の世代、特にITを「使いこなす」ことにどこか苦労を感じてきた世代ほど、この新しいAIという「未知なるもの」への恐れを抱きやすいのかもしれない、と。
この報告を読みながら、私は静かに自問していました。
私たちは、知らず知らずのうちに、自分の経験という「物差し」だけで、お子さんの未来を測ってはいないだろうか、と。
私たちが「不安」として捉えているものは、お子さんたちにとっては「可能性」の入り口なのかもしれません。
私たちが見ている世界と、お子さんたちが見ている世界。それは、もしかしたら全く違う景色なのかもしれませんね。
お子さんたちの柔軟な意見を聞いていると、彼らが自らの力で未来を切り拓いていく「主体性」をひしひしと感じます 。
大切なのは、私たちの不安を押し付けることではなく、彼らが何を見て、何を感じているのか、その世界をそっと覗き込み、理解しようと努めることなのかもしれません。
ご家庭でも、ぜひお子さんと「AIの未来」について話してみてください。
そこには、私たちが想像するよりもずっと広く、明るい未来が広がっている。
きっと、そんな発見があるはずです。

2025/11/12 Category | blog
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