小6の夏、今から浜松西高中等部を目指すお子さんへ|遅いスタートが心配な保護者の方へ
「この夏からで間に合うでしょうか…」
浜松西高中等部を目指すお子さんをお持ちの方から、よくこんなご相談をいただきます。周りを見渡すと、もう何年も前から塾に通っているお子さんもいて、「うちは出遅れてしまった」と不安になってしまう気持ち、よくわかります。
でも、ちょっと待ってください。
私は長年この地域で受験指導をしていますが、実は「遅いスタート」にこそ、大きな可能性が隠れていることを何度も目の当たりにしてきました。
昨年のことです。7月になってから相談に来られた親子がいました。最初はお父さんも「みんなもう2年も3年も勉強しているのに…」と心配そうでしたが、そのお子さんは見事に合格を勝ち取りました。
その子が取り組んだのは、たった2つのことでした。
一つ目は「勉強方法を身につけること」。二つ目は「国語力を鍛えること」。
なぜこの2つなのか。それは、アルバート・アインシュタインの「困難の中には機会が潜んでいる」という言葉が示すように、時間という制約があるからこそ、本当に大切なことに集中できるからです。
その子の場合、まず毎週日曜日の夜を「振り返りの時間」にしました。1週間の勉強を振り返って、「うまくいったこと」「改善したいこと」「来週の目標」を親子で話し合う時間です。
最初は「算数がんばった」「国語むずかしかった」程度の感想しか出てきませんでした。でも、続けていくうちに変化が現れたんです。
「計算ミスが多かったのは、途中式を省略していたから。来週は面倒でも途中式を書く習慣をつけたい」「読解問題で間違えるのは、感情的に読んでしまうから。冷静に筆者の主張を探すことを意識したい」
このように、自分の学習を「解像度高く」言語化できるようになったんです。
なぜこんな変化が起こったのか。それは、振り返りを続ける中で、自然と国語力が鍛えられていったからです。自分の気持ちや状況を正確に表現しようとすることで、語彙が増え、思考が深くなっていく。
勉強の振り返りを磨く作業を怠ってはいけません。超一流は振り返りの精度が高いんです。
お子さんと一緒に、こんな振り返りを始めてみませんか。
「今日の勉強で一番印象に残ったことは?」「なぜそれが印象に残ったと思う?」「明日はどんなふうに取り組んでみる?」
簡単な質問から始めて、お子さんが自分の学習を客観視する習慣を育てていく。それが、短期間で大きな成果を生む秘訣なんです。
時間がないからこそ、効率的な方法を身につけ、それを日々のスケジュールに活かしていく。週に一度の振り返りで改善点を見つけ、次の週に活かしていく。この小さな積み重ねが、やがて大きな学力となり、合格という結果につながっていきます。
遅いスタートは、実は集中して本質を学ぶチャンスかもしれません。この親子と同様に夏期講習をきっかけにしていただければ嬉しいです。

2025/06/13 Category | blog
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