【7/8付】意見を育てるニュース教室: 子どもに政治の話は早い? ~「まなび参議院議員選挙」の告示
今週の小川先生の「意見を育てるニュース教室」で、とても興味深い授業が行われました。
次回7月15日(火)に実施する「まなび参議院議員選挙」の準備として、実際の選挙公報を使った事前学習です。生徒たちは本物の選挙公報を手に、静岡県の候補者や政党の公約を読み込み、投票に備えました。
まず、参議院と衆議院の違いについて質疑応答。「解散」「人数」「任期」といったキーワードが5、6年生の口から自然と出てきたそうです。国会について学んでいることが確認できたので、次の段階へ。
各自で選挙公報を確認した後、3つのグループに分かれて討論の時間です。自分が選ぶ政党とその理由について話し合う中で、小川先生は驚いたそうです。
私たち大人とは大きく異なる点があったから。
子どもたちには、各政党に対する偏ったイメージがありませんでした。そして、ニュースで選挙の焦点としてよく取り上げられる物価高政策よりも、「未来の日本についての政策」により強い関心を示していたのです。
考えてみれば、当たり前かもしれません。大人は明日の生活費を心配しますが、子どもたちが生きていくのは30年後、50年後の日本です。
これを読んで、思い出したのは教育者ジョン・デューイの言葉です。「子どもは未来の大人ではない。今を生きる一人の人間だ」。でも同時に、子どもたちは確実に未来を担っていく存在でもあるんですね。
先日、あるお母さんからこんな話を聞きました。「うちの子が突然、『なんで政治家の人たちは環境のことをもっと考えないの?』と聞いてきたんです。どう答えていいか分からなくて…」
その時、今回のニュース教室の話を思い出しました。もしかすると、その質問こそが、私たち大人が聞くべき声なのかもしれません。
私たちはつい、目の前のことばかりに囚われてしまいがちです。給料が上がるか、物価が下がるか、今日明日の生活をどう支えるか。でも、子どもたちの関心は違うところにある。
「未来の日本がどうなっていくのか」
それが彼らにとって一番重要なことなんです。
小川先生は「私たち大人は、まだ選挙権がない子どもたちの声を国政に届ける役割も担っている」と気づかれたそうです。
これは、とても重要な視点だと思います。
私たちが投票する時、自分の利益だけを考えているでしょうか?それとも、子どもたちが生きていく未来の日本のことも考えているでしょうか?
次回の授業では、いよいよ実際の投票が行われます。宿題として、身の回りの人と自分が選ぶ政党とその理由について話し合い、作文を書くことになっています。
「子どもに政治の話は難しい」「まだ早い」と思う親御さんもいるかもしれません。でも、子どもたちは私たちが思っている以上に、真剣に未来のことを考えています。
今度、お子さんが政治や社会の話を持ち出した時、「まだ子どもだから」と片付けてしまわず、じっくりと耳を傾けてみてください。そこには、私たち大人が忘れかけている大切な視点があるかもしれません。
子どもの声に耳を傾けることは、実は私たち自身の視野を広げることでもあるのだと思います。次回の授業と小川先生からの報告が今からとても楽しみです!

2025/07/09 Category | blog
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