【9/2付】意見を育てるニュース教室:うちの子にはアイデアがない?~『アプリは発明ですか』という質問が教えてくれたこと

今週の小川先生の「意見を育てるニュース教室」で、とても印象的な場面がありました。

読売中高生新聞の「知的財産」特集を扱った授業で、生徒たちに新しい発明を考える課題を出したところ、一人の生徒からこんな質問があったそうです。

「アプリは発明として認められますか?」

小川先生は「早速アイデアがひらめいた生徒もいました」と報告されています。一方で「発明について全く思いつかない生徒」もいたとのこと。

この対比を読んで、思い出したのは発明王エジソンの言葉です。「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」。でも、そのひらめきはどこから生まれるのでしょうか?

先日、お母さんからこんな相談を受けました。「うちの子は創造力がないんです。図工の時間も、いつも『何を作ったらいいか分からない』と言って困ってしまうんです」

でも、「アプリは発明ですか?」と質問した生徒を見てください。彼は身近なスマートフォンのアプリから発想を始めている。これって、実はとても自然で健全な創造のプロセスなんです。

発明というと、私たちはつい電球や蒸気機関車のような「すごい物」を想像してしまいがちです。でも、本当の発明は、もっと身近なところから始まります。

「こんなアプリがあったら便利なのに」 「この作業をもっと楽にできないかな」 「なぜこの問題は解決されないんだろう」

そんな小さな疑問や不便さから、大きな発明が生まれるのです。

今回の課題では、考えた発明について3つの項目を説明することが求められています。

  1. それがなぜ必要なのか
  2. アイデアを実現するにはどうしたらよいか
  3. アイデアが実現することでどのような未来がおとずれるか

この3つの項目、実は子育てにも通じるものがあります。

お子さんが何かを「やりたい」と言った時、頭ごなしに「だめ」と言うのではなく、「なぜそれが必要だと思うの?」「どうやったらできるかな?」「それができたら、どうなるだろうね?」と問いかけてみる。

そうすることで、子どもの中にある小さなアイデアの種が、だんだん具体的な形になっていきます。

「発明について全く思いつかない」という生徒がいても、それは当然のことです。大切なのは、思いつかないことを責めるのではなく、「考える時間」を与えること。

小川先生は「この質問が何かの参考になるのではないかと思います」とおっしゃっています。一人の生徒の質問が、他の生徒のヒントになる。これも、創造性を育む大切な環境ですね。

来週は、生徒同士で意見を交わしてより具体的な形にしていくそうです。きっと、一人では思いつかなかったアイデアが、友達との会話の中から生まれてくるでしょう。

「うちの子には創造力がない」と心配する前に、まずは子どもの小さな疑問や「なぜ?」「どうして?」に耳を傾けてみてください。そして、一緒に考えてみる。答えを教えるのではなく、一緒に悩んでみる。

そんな時間の積み重ねが、いつか大きな発明につながっていくのかもしれません。未来を担う子どもたちの創造力を信じて、待ってみませんか。


2025/09/03 Category | blog 



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