【10/7付】意見を育てるニュース教室:子どもたちの声が、私たちの理念に命を吹き込んだ日
私たち、まなび研究所には、教育の根幹として、25年間ずっと大切に掲げている言葉があります。
「Read more, learn more, change the globe – 本を読んで、学んで、世界を変えていく」
それは単なるスローガンではありません。子どもたち一人ひとりの中に眠る可能性を信じ、学びを通して、やがては世のため人のために貢献できる人に育ってほしいという、私たちの切なる願いであり、全ての教育活動の指針です。
しかし、これはあくまで大人が掲げた理想ではないか。子どもたちの心に、本当にこの想いは届いているのだろうか。自問することも、一度や二度ではありませんでした。
昨日の 意見を育てるニュース教室 では、その答えを、子どもたち自身が、彼らの言葉で、まっすぐに示してくれました。
中学入試を3ヶ月後に控えた教室で、小川先生は「君は、何のために勉強しているの?」という根源的な問いを投げかけました。そこで語られた言葉の数々に、私は心が震えるほどの感動を覚えたのです。
「自分の夢である獣医になるためです」
「社会で必要なことを身につけて、自分のなりたい人になる可能性を広げたいからです」
まず語られたのは、自分自身の人生を豊かにするための、力強い意志でした。学びの出発点が「自分」にあること。これは何よりも大切な土台です。
しかし、彼らの視線は、そこで留まりませんでした。
「自分のやりたいことを実現することが、世の中のためになると思うからです」
この言葉を聞いたとき、私は確信しました。ああ、私たちの願いは、確かに彼らの心に届き、そして、彼ら自身の言葉となって、今、私たちの目の前で花開いているのだ、と。
「自分のための学び」が、その先にある「社会」や「誰か」に繋がっている。この視点こそ、私たちが「本を読んで、学んで、世界を変えていく」という言葉に込めた想いそのものです。私たちの理念が、単なる言葉ではなく、子どもたちの血肉となって息づいている。その事実が、何よりも嬉しかったのです。
「世界を変える」というと、あまりに壮大に聞こえるかもしれません。しかし、その一歩は、ごく身近なところから始まります。ある生徒さんが話してくれたエピソードは、そのことを雄弁に物語っていました。
彼女は、テストの点数が悪かったことを親に叱られた際、「点数が悪いときこそ、本当の勉強になる」という自らの考えを、勇気をもって伝えたと言います。その対話の結果、親は彼女を理解し、「あなたの人生だものね」と認めてくれた。
常識を疑う視点。対立を恐れない勇気。そして、対話によって理解を勝ち取る力。彼女がご家庭で起こしたこの小さな革命は、まさに「世界を変える」ための、最も重要な実践です。
志望校合格は大切な目標です。しかし、それは、子どもたちがこれから歩んでいく長い人生の、ほんの通過点に過ぎません。その先で、彼らが自らの学びを力に変え、社会を、そして世界を、ほんの少しでもより良い場所にしてくれること。
あの日、子どもたちの言葉は、私たちの掲げる理念に、温かい命を吹き込んでくれました。その決意を胸に、私たちはこれからも、未来のイノベーターたちを育んでいくことを、ここに改めてお誓いします。
2025/10/08 Category | blog
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