答案用紙の「バツ印」の先に、何を見ていますか?
秋風が少しずつ深まり、受験本番の足音が聞こえてくる季節になりました。 ご家庭では、過去問演習に本格的に取り組まれている頃ではないでしょうか。
テーブルの上に広げられた、お子さんが必死に解いた過去問。 マルがいくつ、バツがいくつ。合格最低点まで、あと何点。
点数に一喜一憂し、つい「なんでこんな問題を間違えるの!」と声が大きくなってしまう。お子さんは俯いて黙り込み、リビングの空気が重たくなる…。そんな経験に、胸が締め付けられる思いをされている親御さんも少なくないかもしれません。
私たちは、子どもが一人で効果的な振り返りをすることは、とても難しいことだと知っています。 人生経験がまだ浅い彼らにとって、自分の間違いと真正面から向き合い、その原因を冷静に分析し、次への具体的な対策を立てることは、大人が想像する以上に精神的なエネルギーを消耗する作業なのです。
多くの場合、子どもは「なぜ間違えたのか」を言語化できません。だから、親が「どうして?」と問い詰めても、答えようがないのです。それは、やる気がないからでも、反省していないからでもありません。ただ、どう表現していいか分からないだけなのです。
では、親にできることは何でしょうか。
それは、間違いを指摘する「採点者」になることではなく、お子さんの隣で一緒に悩み、考える「伴走者」になることなのかもしれません。
実は、親御さんがお仕事や家事の中で日々実践されていることこそ、最高の振り返りのお手本になります。「こうだったから、こんな結果になった。じゃあ、次はこうならないためにどうしようか」という原因分析と対策立案の知恵は、お子さんの過去問分析にそのまま活かすことができる、かけがえのない宝物です。
答案用紙は、単なる点数を示す紙ではありません。 そこには、お子さんが悩み、考え、格闘した時間のすべてが刻まれています。その努力の跡を、まずは親が見つけてあげる。認めてあげる。「この問題、難しかったのに、ここまで考えたんだね」と。
不思議なもので、自分の努力を認めてくれる存在がいるだけで、子どもは「次も頑張ろう」という気力が湧いてきます。 それは、相手が人間であっても、私たちの教室で稼働している私の思考を読み取らせた「AIフルハシ」のようなAIであっても同じです。 AIが生徒の振り返りの記述から努力の跡を読み取って承認するだけで、生徒の自己肯定感は高まり、次への行動へと繋がっていくのです。
特に、ご家庭での対策が難しい浜松西高中等部の作文問題。 模範解答がなく、何が正解か分からない暗闇の中を進むようなものです。 私たちのAIは、お子さんが書いた作文を元に、その子だけのためのオーダーメイドの模範解答を創り出します。 それを書き写すことで、子どもは「ああ、こう書けばよかったのか」と、身体で正しい型を学んでいきます。
これは、AIだからできる技術ですが、その根底にあるのは「その子の頑張りを認め、具体的な次の一歩を示してあげる」という、とても人間的な関わりです。
過去問演習は、お子さんの心を強くし、やり抜く力「グリット」を育む絶好の機会です。 答案用紙に付けられた「バツ印」の先に、お子さんのどんな成長の可能性が見えていますか。 その格闘の跡を、見つけてあげられていますか。
もし、暗闇の中で道に迷われることがあれば、いつでも声をかけてください。 一緒に、お子さんだけの進むべき道を照らす光を探しましょう。
2025/10/17 Category | blog
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