中3受験生、11月定期テスト「直前」の学習戦略:捨てる勇気と拾う技術 

テストが近づくと、親御さんもソワソワしてしまいますよね。

中3受験生のお子さんの机には、使い込まれた問題集や参考書が山積みになっているかもしれません。

「あれも終わっていない」

「これもまだ完璧じゃない」

分厚いテキストの隅から隅まで、すべてをやり切らないと、合格できないような気がしてくる。

お子さんがそんな風に、焦りや不安から空回りしているように見えることはありませんか。

全部を完璧になんて、土台無理な話です。

それなのに、私たち親も、そしてお子さん自身も、「あれも、これも」と手を広げてしまう。

なぜでしょうね。

それはきっと、「何かを“やらない”と決めること」が、とても怖いからなんだと思います。


私がこれまで見てきた、土壇場で力を発揮する中3受験生たちは、不思議と落ち着いています。

彼らは、難解な応用問題に必死で取り組んでいるわけではありません。

むしろ、誰もが解けるはずの基礎的な計算問題や、漢字の書き取り、英単語の意味を、淡々と、静かに確認していることさえあります。

「こんな簡単なことを、今さら?」

そう思われるかもしれません。

でも、入試やテストの得点の6割、7割は、いつだってそうした基礎的な問題で作られています。

彼らは、「絶対に落としてはいけない場所」を知っているのです。

解けるかどうかわからない1問の応用に貴重な時間を使うよりも、確実に解けるはずの10問の基礎を完璧に守り切る。

それは、応用問題から「逃げる」ことではなく、限られた時間の中で「一点でも多く点を拾う」ための、とてもクレバーな戦略だとは思いませんか。

社会や理科の暗記だって同じです。

100点満点を目指して、教科書の隅っこにあるマニアックな知識を詰め込む姿。

それよりも、8割の「出やすい」知識を、何度も何度も繰り返して完璧に固める。

その方が、よほど効率的で、本番での自信にもつながるように私には見えます。

直前期の勉強は、「どれだけ多くの知識を詰め込めるか」の勝負ではありません。

「いかに、やらないことを決められるか」という、「捨てる勇気」と「拾う技術」の勝負です。

これは、勉強に限った話ではないのかもしれませんね。

人生も、仕事も、私たちに与えられたリソースは限られています。

その中で最大の成果を出すとは、本質的に「何にNOと言うか」を決めることなのだから。

今、お子さんの目には、何が見えていますか?

守るべき「8割」は、見えていますか?

そして何より、親御さんであるあなたは、

「全部できなくても大丈夫。大事なことだけ、ちゃんと拾っておいで」

と、その背中を優しくさすってあげられていますか?


2025/11/04 Category | blog 



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