中学生に勉強を教えるのをやめ、学び方を伝えたら、自分で考え工夫するようになった
最近「ここは塾ですか?」と聞かれるようになりました。
確かに、中学生には、5教科の授業はしていません。中学生には、コンサルティングをメインに行なっているので、塾のようで塾でないとお感じになるかもしれません。
私たちは、25年間中学生の指導をし続けてきて、こう思いました。彼らは、勉強ができないのではない。勉強の仕方を知らないだけだ、と。
ですから、日々の勉強の取り組みかた、テスト前の勉強の仕方、これらを優先順位をつけて個別に指導しています。当たり前ですが、それを知ったら、勉強するのは自分です。
勉強しなくてはいけないとわかってはいるけど何からやったらいいかわからない。暗記が苦手でどう取り組んだらいいかわからない。そんなとき、コンサルティングで、一人ひとりに向き合い、これからどうするのか一緒にプランを立てれば、自分で考えて動くことができます。
例えば、ある中学2年生の話です。
彼女は数学が苦手で、定期テストではいつも25点前後でした。「わからないところを教えてください」と言うので、「どこがわからない?」と聞くと、「全部です」と答えます。でも本当は、全部がわからないわけじゃない。どこがわからないのか、自分でもわかっていないだけなんです。
そこで、一緒にテスト範囲を見ながら、「計算問題はできる?」「文章題は?」「図形は?」と、一つずつ確認していきました。すると、計算問題は大丈夫で、文章題の途中までは解ける。つまずくのは、図形の証明問題だけでした。
「じゃあ、残り2週間で、図形の角度を求める問題を集中的にやろう。毎日、3問だけ」
彼女の顔が、ふっと明るくなりました。「3問だけでいいんですか?」
「うん、でも毎日ね」
次のテストで、彼女は36点を取りました。計算問題と文章題で確実に点を取り、図形の証明も部分点をもらえました。何より、彼女の表情が変わっていました。目の奥に、小さな灯りがともったように見えたんです。
「先生、次はもっと取れる気がします」
彼女は、やり方を知っただけなんです。何を、どれだけ、どの順番でやればいいのか。それがわかれば、あとは自分で進められます。霧が晴れて、道が見えた。ただ、それだけのことでした。
でも、その「それだけのこと」が、どれだけ大きな一歩か。
勉強の仕方を知っていれば、高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、自分で学び続けられます。誰かに頼らなくても、自分で考え、自分で決め、自分で進んでいけます。
あなたのお子さんは、もう中学生です。
親が横について、「ここはこうやるのよ」と教える時期は、もう過ぎていませんか。小学生の頃のように、手を引いて歩く必要はもうありません。これから必要なのは、自分の足で立ち、自分の道を歩いていく力です。
私たちは、その最初の一歩を一緒に踏み出すだけ。地図の読み方を教えるだけ。あとは、彼ら自身が歩いていきます。
時々、保護者の方から「うちの子、今までは教えて!教えて!だったのに、自分で考えるようになりました」と言われます。
私たちは自分で考えることを大事にしています。彼らが自分で考えるためのステップを、一緒に見つけるのがコンサルティングの役目です。彼らの中にもともとあった力を、伸ばすお手伝いです。
ここは、塾じゃないかもしれません。
でも、お子さんが自分の足で立って、自分の道を歩き始める場所ではあります。迷いながらも、少しずつ前を向いていく。そんな姿を、そっと見守る場所です。
言うなれば、まなび研究所は人育てなのかもしれません。
2025/12/11 Category | blog

