【8/19付】意見を育てるニュース教室:『なぜ戦争は起こるのか』~子どもの答えに学ぶ平和への道筋

夏休み明けの小川先生の「意見を育てるニュース教室」で、とても重いテーマに挑戦しました。

戦後80年という節目にあたり、読売中高生新聞の特集記事を使って、2つの課題について考えていくそうです。

課題1:なぜ戦争が起こるのか
課題2:どうすれば戦争をとめることができるか

小川先生は「人類の究極の課題」と表現されています。確かに、大人でも簡単には答えられない問いです。

でも、生徒たちの答えを見てください。

「なぜ戦争が起こるのか」についての意見

  • 食料・資源の奪い合いのため
  • 領地の奪い合い
  • 自国の主張を通すため
  • 報復を繰り返すため
  • 自国の強さを見せつけるため
  • 人間に欲があるから
  • 宗教の違いが原因で起こる
  • 小さな意見の食い違いから起こる

驚くほど本質を突いていませんか?

「人間に欲があるから」「小さな意見の食い違いから起こる」という答えなど、大人が長年議論してきた戦争の根本原因を、子どもたちは素直に言葉にしています。

一方、「どうすれば戦争をとめることができるか」については、まだ意見が少ないようです。

  • 他国の意見を受け入れる
  • 全ての国同士が平和条約を結ぶ

でも、これもまた本質的です。「他国の意見を受け入れる」なんて、国際政治の専門家が使う言葉と変わりません。

この授業の様子を聞いて、思い出したのは教育者マリア・モンテッソーリの言葉です。「子どもは平和の建設者である」。

先日、あるお母さんからこんな相談を受けました。「ニュースで戦争の話が出ると、子どもが怖がってしまうんです。どう説明したらいいでしょうか」

その時、今回のニュース教室の話を思い出しました。子どもたちは、私たちが思っている以上に戦争について真剣に考えているんですね。

「食料・資源の奪い合い」「報復を繰り返す」といった答えを見ると、彼らなりに世界で起こっていることを観察し、理解しようとしていることが分かります。

そして「小さな意見の食い違いから起こる」という答えには、はっとさせられました。これは、家庭や学校での人間関係にも通じることです。

兄弟喧嘩、友達とのトラブル、親子の言い合い。全て「小さな意見の食い違い」から始まります。それがエスカレートしていくと、取り返しのつかないことになる。子どもたちは、そのことを肌で感じているのかもしれません。

だとすれば、平和を作るのも、まずは身近なところからということになります。

「他国の意見を受け入れる」という答えも、家庭で実践できることです。お子さんの意見に耳を傾ける、兄弟それぞれの言い分を聞く、夫婦で話し合う時に相手の立場を理解しようとする。

次週は、生徒同士での意見交換が行われるそうです。きっと、もっと具体的で深い答えが出てくるでしょう。

戦争という遠い話のようでいて、実は私たちの日常と深くつながっている。そのことを、子どもたちの素直な答えが教えてくれているような気がします。

今度、お子さんとニュースを見る機会があったら、「どうして争いが起こると思う?」「どうすれば仲良くできるかな?」と聞いてみてください。きっと、私たち大人が忘れかけている大切なことを、思い出させてくれるはずです。

教室で取り上げたニュースや、子どもたちの学びの様子をブログでご紹介しています。ぜひご覧ください。

2025/08/21 Category | blog 



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