「その中学受験、『楽をしたいから』で始めていませんか?」と、ふと不安になったお母さんへ。
夏の賑やかさが遠のき、秋風が少しずつ肌に感じられるようになると、中学受験を目指すご家庭では、空気がピリッと引き締まってくるのを感じます。過去問の分厚い束、塾の先生との面談、山積みの課題…。そんな日々に追われる中で、ふと、こんな風に感じたことはありませんか。
「私たち親子は、一体何のために、こんなに必死で頑張っているんだろう?」と。
「浜松西中に入れば、高校受験をしなくて済むから」
「地元の中学だと、内申点が心配だから」
お子さんの将来を案じる親御さんとして、これらはとても現実的で、正直な理由だと思います。実際、多くのご家庭から、同じようなお話を伺います。
でも、その理由だけで、お子さんの心は今、本当に燃えているでしょうか。これから続く長く険しい道のりを、自分の足で力強く歩いていくための、本当のエネルギーになっているでしょうか。
以前、あるお医者さんのご家庭で、心に残るエピソードを伺いました。なかなか勉強に身が入らない息子さんを前に、お父さんがかけたのは、叱責の言葉ではありませんでした。ただ静かに、こう語りかけたそうです。
「いいか。お前がこの問題を1問、深く理解すれば、将来、お前が救える命が一つ増えるんだぞ」
その日から、息子さんの机に向かう姿勢が、がらりと変わったといいます。目の前にある無味乾燥に見えた問題の一問一問が、誰かの未来を救う「希望」に変わった瞬間でした。彼の勉強は、自分のためだけのものではなく、「世のため人のため」という大きな物語と、確かに繋がったのです。
お子さんが内に秘めているエネルギーの強さに、私たち大人は時に驚かされます。そのエネルギーに火をつけるのは、「これを乗り越えれば、後が楽になる」という理由ではなく、「この学びの先に、誰かの笑顔がある」という、温かい未来のビジョンなのかもしれません。
とはいえ、お子さんの将来のビジョンを、親子だけでゼロから描くのは簡単なことではありませんよね。
そこで、現代ならではの、強力な味方がいることをご存知でしょうか。
それは「AI」です。
驚かれるかもしれませんね。ですが、AIは、お子さんの可能性を探る旅における、最高の「壁打ち相手」になってくれるのです。
「うちの子は、人の話をじっくり聞くのが好きで、細かい作業も得意みたい。どんな仕事が向いているのかな?」
「世界には、まだ私たちが知らない、こんなことで困っている人たちがいるんだね。どうしたら助けられるかな?」
そんな風に、親子でAIと対話してみる。AIは、お子さんの特性に合わせた職業や、必要となるスキルを一緒に考え、世界中の情報の中から、今まで思いもしなかった可能性の扉を見つけ出してくれます。
これからの時代、このAIという新しい羅針盤を使って、お子さんの才能や情熱という宝のありかを探し出すご家庭と、そうでないご家庭とでは、教育の質に大きな、本当に大きな差が生まれていくでしょう。
これは脅しではありません。もう、私たちはそういう時代に足を踏み入れてしまった、というだけのことなのです。まさに、「やるか、やらないか」。
中学受験本番までの残り時間は、もう決して多くはありません 。カレンダーを見るたびに、焦る気持ちが湧いてくるのもよくわかります。
でも、だからこそ、今、一度だけご家族で立ち止まってみませんか。
AIをテーブルの隣に座らせて、「私たちのこの航海の、本当の目的地はどこにあるんだろう?」と話し合ってみる。
その一時間、二時間が、どんな分厚い問題集よりも、お子さんの背中を押す、力強く温かい追い風になるかもしれませんから。
2025/08/25 Category | blog
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