【8/26付】意見を育てるニュース教室:政治家に頼らない平和~子どもたちが見つけた『本当の解決策』
先週に続いて、小川先生の「意見を育てるニュース教室」で興味深い展開がありました。
戦後80年の特集記事を読み込んだ生徒たちが、3つのグループに分かれて話し合った結果です。
「なぜ戦争は起こるのか」についてのグループ発表
- グループA:世界恐慌で経済が不安定になり、日本が資源獲得のために領土を広げようとしたから
- グループB:日本が領土を広げ、資源を得ようとしたから
- グループC:日本の貿易が不安定になったから
前週の「人間に欲があるから」といった抽象的な答えから、今度は具体的な歴史的背景を踏まえた答えに変わっています。記事をしっかり読み込んだ成果ですね。
でも、本当に驚いたのは2つ目の課題への答えでした。
「どうすれば戦争をとめることができるか」
- グループA:戦争と無関係でいられる国がないことを伝え、平和教育を行っていく
- グループB:戦争の記憶を語り継いでいくこと
- グループC:戦争体験者の思いを伝えていくこと
小川先生は「生徒たちは、戦争を止めるためには政治に頼るのでなく、自らが戦争の実態を学び、それを継承していくことが大切だと述べています」と振り返っています。
これを読んで、はっとしました。
私たちはつい「政治家が悪い」「国が何とかしてくれれば」と他人任せになってしまいがちです。でも、子どもたちは違う答えを見つけた。「自分たちが学び、伝えていく」という答えを。
先日、お母さんからこんな話を聞きました。「ニュースで戦争の話を見るたびに、『なんで政治家は平和にできないの?』と子どもに聞かれて困ってしまうんです」
でも、まなびの生徒たちの答えを見てください。彼らは政治家を責めるのではなく、「自分たちにできることは何か」を考えている。
「平和教育を行っていく」「戦争の記憶を語り継いでいく」「戦争体験者の思いを伝えていく」
これらはすべて、一人ひとりができることです。
小川先生は「80年前の日本には無かった考えで、もし生徒たちが言うように前の戦争の悲惨な記憶を受け継ぎ、平和教育が行われたならば、あのような悲惨な出来事は起こらなかったでしょう」と感じたそうです。
確かにそうかもしれません。戦前の日本では、戦争の現実を知らされることなく、多くの人が「お国のため」という言葉に従いました。でも、もし一人ひとりが戦争の本当の姿を知っていたら、違った選択をしていたかもしれません。
現在の世界情勢を見ても、トランプ関税による経済不安、ウクライナ戦争の長期化など、80年前と似た不安定さがあります。だからこそ、子どもたちの答えが重要なのです。
「戦争体験者の思いを伝えていくこと」
これは、おじいちゃん、おばあちゃんから話を聞くことでもあります。図書館で戦争体験の本を読むことでもあります。お子さんと一緒に平和について考えることでもあります。
政治家に任せるのではなく、一人ひとりが平和について学び、考え、伝えていく。それが本当の平和への道筋なのかもしれません。
今度、お子さんとニュースを見る機会があったら、「私たちにできることは何だろう?」と聞いてみてください。きっと、大人が考えもしなかった答えを返してくれるはずです。
平和を作るのは政治家だけではない。一人ひとりの学びと行動こそが、本当の平和を築いていくのだと思います。

2025/08/27 Category | blog
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